当院のインプラントの技術レベル

当院の技術レベルを患者さんに正しく伝えることは難しいことですが本来治療技術は自分で評価するものではなく第3者によって評価されるべきものと考えています。

1994年にLars Kristerson先生より、インプラント治療について推薦状をいただくことができました。幸いなことにLars Kristerson先生とはこの24年間に数百症例のインプラント手術を一緒に行うことができました。

私の歯科医師としての勲章としていることは、多くの日本人医師やスウェーデン歯科医師達の師匠であるLars Kristerson先生よりご自身がインプラント治療が必要になれば私に任せたいと言っていただけたことです。今後も先生の弟子として、より一層の努力をし、1人でも多くの患者さんに喜んでいただける様、努力を重ねて参ります。

インプラント診療とは

第1の歯が天然歯、第2の歯がブリッジや取り外しの入れ歯ならインプラント治療は第3の歯と云われる新しい治療法です。歯が抜けてしまった場所へ人工の歯根を埋めて天然の歯と同様の機能を再現することが可能となる治療法です。

現在のインプラント治療は骨結合型インプラントが主流で、スウェーデンの国で開発されたものです。日本で紹介された当時はほとんどの日本人歯科医師は経験が無く、技術導入にあたり私はスウェーデンのインプラント治療の第一人者であるDr. Lars Kristersonに師事しインプラントを学びました。現在ではクリスターソン先生を最高顧問とするO.S.L(OSSEO SKARP INSTITUTE「オッセオ スカルプ インスティチュート」)を設立し、インプラントの専門研修機関として原歯科はO.S.I NAGOYAインプラントセンターとしても活動しています。

O.S.Iでは、主にスウェーデンで開発されたASTRA TECH IMPLANTを採用しています。患者さんの立場で考えれば10年後、20年後そして30年後でも部品材料等が供給できる企業が開発しているインプラント製品であるか否か、つまり企業が存続できないことはインプラント治療後に修理する部品調達もできないと云うことになるのです。又、製品の質に関しては国際的視点からの各国の大学病院等で常に研究され続けている製品であり、各国大学等インプラントの専門機関で科学的根拠をもって信頼され使用されているインプラント製品であることが一番重要なことになるのです。

これからは患者さんは歯科医師に全てを委ねる時代ではなく、自身の体内に埋められるインプラント製品がどのような製品なのかを知る必要があると思います。

インプラントの成功率

5年間1,000本のアストラテックインプラントの臨床結果

トロントシンポジウムでのインプラント成功の世界基準 Zarb,Albrektsson 1998

  • インプラントは、患者と歯科医の両者が満足する機能的、審美的な上部構造をよく支持している
  • インプラントに起因する痛み、不快感、知覚の変化、感染の徴候などがない
  • 臨床的に診査する時、個々の連結されていないインプラントは動揺しない
  • 機能開始1年以降の経年的な1年ごとの垂直的骨吸収は平均0.2mm以下である

個々のインプラントの条件 Zarb,Albrektsson 1998

  • 診査されるインプラントは荷重を受けている
  • 診査されるインプラントはすべて説明される
  • 動揺度を評価するゴールドスタンダードがないため、方法はきちんと記載する
  • 骨吸収を測定するX線写真は、リファレンスポイントと決められた撮影角度を持ち、規格化する

JOMIにおけるAlbrektssonらの成功の基準 Albrektsson,Zarb,Worthington,Eriksson 1986

  • 診査時に個々の連結されていないインプラントが動揺しない
  • X線学的にインプラント周囲に透過像を認めない
  • インプラント埋入後1年以降の経年的な垂直的骨吸収は0.2mm以下である
  • インプラントによる持続的および非可逆的な徴候や症状(疼痛、感染、神経麻痺、知覚異常、下顎骨損傷など)がない
  • 上記の条件下で、5年成功率85%が最低の成功基準とする

患者概要

患者 本数 平均年齢(平均ISD) 喫煙者(%)
男性 145人 436本 50.96歳 26.5%
女性 194人 631本 52.06才 10.2%
合計 339人 1067本 51.51歳 18.35%

骨質、骨量別のインプラント植立数及び失敗数

上顎 下顎
植立 失敗 植立 失敗
骨質
1 5 0 35 0
2 76 0 90 0
3 313 2 300 2
4 83 5 65 2
合計 477 7 590 5
骨質
A 51 0 59 0
B 202 3 309 2
C 157 1 180 1
D 37 3 27 0
E 30 0 15 2
合計 477 7 590 5

骨質、骨量別のインプラント植立数及び失敗数

インプラントサイズ 上顎477本 下顎590本 合計1,067
植立数 失敗数 植立数 失敗数 植立数 失敗数
Φ3.5mm長さ 8mm 10 0 25 1 35 1
Φ3.5mm長さ 9mm 6 0 49 2 55 2
Φ3.5mm長さ 11mm 20 0 87 0 107 0
Φ3.5mm長さ 13mm 38 0 59 1 97 1
Φ3.5mm長さ 15mm 53 1 31 0 84 1
Φ3.5mm長さ 17mm 22 0 12 0 34 0
Φ3.5mm長さ 19mm 1 0 2 0 3 0
Φ4.0mm長さ 8mm 0 0 18 0 18 0
Φ4.0mm長さ 9mm 8 1 33 0 41 1
Φ4.0mm長さ 11mm 9 0 32 0 41 0
Φ4.0mm長さ 13mm 6 0 18 0 24 0
Φ4.0mm長さ 17mm 1 0 1 0 2 0
Φ4.0mm長さ 19mm 2 0 0 0 2 0
Φ4.5mm ST長さ 9mm 14 0 20 1 34 1
Φ4.5mm ST長さ 11mm 53 1 75 0 128 1
Φ4.5mm ST長さ 13mm 60 1 54 0 114 1
Φ4.5mm ST長さ 15mm 64 0 23 0 87 0
Φ4.5mm ST長さ 17mm 63 0 4 0 67 0
Φ4.5mm ST長さ 19mm 22 0 12 0 67 0
Φ5.0mm ST長さ 9mm 6 2 11 0 17 2
Φ5.0mm ST長さ 11mm 10 0 10 0 20 0
Φ5.0mm ST長さ 13mm 6 1 13 0 19 1
Φ5.0mm ST長さ 15mm 7 0 3 0 10 0
Φ5.0mm ST長さ 17mm 0 0 1 0 1 0
Φ5.0mm ST長さ 19mm 2 0 0 0 2 0

Φ3.5 420/1067→39.4%

Φ4.0 138/1067→12.9%

Φ4.5ST 473/1067→41.0%

Φ5.0ST 72/1067→ 6.7%

失敗したフィクスチャーの種類

Φ3.5  5/420→1.2%

Φ4.0  1/138→0.7%

Φ4.5ST 3/437→0.6%

Φ5.0ST 3/72 →4.2%

失敗したフィクスチャーの種類

患者1人あたりのインプラント植立数 患者数 1本のインプラントが失敗した患者数 3本のインプラントが失敗した患者数
1 74 0 0
2 73 1 0
3 79 3 0
4 53 2 0
5 30 1 0
6 10 0 0
7 4 1 0
8 5 0 0
9 1 0 0
10 3 0 0
11 3 0 1
12 0 0 0
13 4 1 0

インプラントの割合(%)(歯の部位ごとのインプラント分布)

上顎部位
8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 9
0.7 1.5 4.1 4.1 3.6 2.6 2.1 2.5 2.0 3.2 2.2 3.8 3.9 3.9 1.9 1.3
下顎部位
8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 9
0.2 6.1 8.6 5.7 4.3 1.8 1.7 0.1 0.4 1.5 1.5 3.0 6.2 9.5 5.8 0.1

5年間に生じた合併症

合併症 患者数
1 知覚麻痺 2人 0.18%
2 インプラントの破折/失敗 0人 0%
3 チタンスクリューの弛み/破折 3人 0.28%
4 バットメントスクリューの弛み/破折 1人 0.09%
5 一時的な補綴物の撤去 0人 0%
6 新しい補綴物の装着 2人 0.18%
7 再手術/インプラントの追加 3人 0.28%

インプラント失敗の分析

施設 一時的手術時の年齢 インプラントの直径 インプラントの長さ 部位 骨質 植立からの期間(月) 失敗の時期 理由
A 61 Φ4.5ST 9mm 下臼 4 4M 負荷前 動揺
A 78 Φ3.5 13mm 下前 3 3M 負荷前 動揺
A 35 Φ4.5ST 11mm 上臼 4 5M 負荷前 動揺
13mm 11M 負荷後 動揺
A 56 Φ5.0ST 9mm 上臼 4 6M 負荷前 動揺
A 41 Φ3.5 15mm 上前 3 6M 負荷前 動揺
A 45 Φ5.0ST 9mm 上臼 4 6M 負荷前 動揺
A 46 Φ3.5 9mm 下臼 4 3M 負荷前 動揺
B 46 Φ3.5 9mm 下臼 4 2W 負荷前 知覚異常
B 35 Φ3.5 9mm 下臼 3 3M 負荷前 動揺
B 50 Φ4.0 9mm 上臼 4 6M 負荷前 動揺
C 56 Φ5.0ST 13mm 上臼 3 4M 負荷後 動揺

施設は A,B,C,Dでの表示

性   男性・女性

部位は 上顎前歯・臼歯、下顎前歯・臼歯で表示

骨質は 1.2.3.4で表示

失敗の時期は 負荷前・負荷後で表示

失敗の理由は疼痛・動揺で表示

上顎 470/477→98.5%
下顎 585/590→99.1%
(1998~2002)

骨量が少ない状況で行ったインプラント数

インプラント数
植立 失敗
フィクスチャー周囲の骨の足りない部分を切削骨や細片骨でカバーしたもの 120 3
フィクスチャー周囲の足りない部分を人骨(自家骨以外)でカバーしたもの 99 2
スプリットクレストテック(骨巾を広げて行う手法)を行ったもの 42 0
オステオトームを使用して骨巾を広げて行ったもの 4 0
ブロック状の骨を採取し、オンレー及びベニアグラフトを行ったもの 25 0
サイナスリフト術を行ったもの 61 0
サイナスエレベーションを行ったもの 23 0
植立後3週間以内に負荷を与えたもの 56 1

骨量が少ない状況下でのインプラント治療

374/1067→35%